勉強に対する「やる気」に関して

そもそも勉強が大好きで、やる気満々の子供なんてそうはいない。
「勉強に対するやる気が感じられない」「学校の宿題もやっていない」など、勉強へのやる気が感じられない場合が多いでしょう。
そうした子供にも自発的に勉強に向かえるようにするために「やる気」というものは、勉学に限ったことではないでしょうが、大変に大切なものでしょう。
「やる気がない」とは言ってもそれは勉強のことであって、勉強以外のことに目を向けてみると部活や友人との交流などに関しては、非常にやる気を出すものです。
そのやる気を勉学に向けるにはどうすればよいのか?
お子さんを持つ親御さんの多くが、まずこの問題にぶつかっていらっしゃるようです。
勉強へのやる気とは達成感や知識欲
本来、人には「知らなかったことを知りたい」「もっと完璧にしたい」といったことや「出来なかったことが出来るようになりたい」といったような、達成感や知識欲を満たしたいという欲望が備わっているものです。
新しい情報や知識を得た時、人間の脳内では快感をもたらすアドレナリンが分泌されるます。
このことから新たな知識を得るということは脳に快感を感じさせ、知識を得るという喜びを感じるという性質を本来もっているようです。
こうした知識欲・達成感は、そのまま勉強にも当てはまるようです。
知らないことを勉強して知るということは知識欲となって、喜びを得、またその喜びを一層の快感を得ようとするために勉強するという良い勉強のループが出来上がります。
こうした子供の知識欲を刺激してあげながら、一緒に「良い勉強のループ」を作ってあげられることが勉強に対する良い教育と言えます。
やる気をプロデュースする
どうプロデュースすればいいのか?具体的な例を交えてご説明いたします。
勉強の意味づけをする
本来、知識欲・達成感を得たいという欲というものは人に備わっているものだということは前述のとおりです。では、その欲をどうして勉強と結びつけるのかということがまず問題に挙がるでしょう。
多くのお子さんが思っていることとして、言葉は変わるでしょうが「勉強をしなければならない意味がわからない」といって勉強のやる気が起きないということでしょう。しかし、本来勉強は「しなければならない」ものではなく、意味があって初めて自発的にやっておくべきことだと気づくのです。
「四則演算(足し算・引き算・掛け算・割り算)くらいができれば問題ない」と思ってしまっていれば勉強の意味などは小学生の低学年で止まってしまい、その後の勉強は強制的に「やらされるもの」になることでしょう。
中には四則演算を行う意味すら教えてもらえないまま、ただつめ込まれたという意識が勉強から意識を遠ざけることに繋がります。
言うまでもないことかもしれませんが、お子さん達はまだまだ狭い社会の中で暮らしており、大人が教えてあげなければならないことは、たくさんあります。しかし、「将来のため」などといってもお子さんたちには、その将来が遠すぎて、「将来のために」という言葉がピンときません。
現在、ゲームや漫画、音楽や映画・テレビといったような娯楽はお子さん達の周りに当たり前のように存在します。勉強のやる気は起こらなくてもゲームや漫画・音楽には常に触れているようなお子さんも多いのではないでしょうか?
ゲームや漫画、映画、音楽、テレビなど何もなく触れていてもなるほど楽しいものでしょう。しかし、漫画や映画、音楽の背景を知ったり、ゲームのもとになる知識を持っていたりすると、また違った側面で物事を楽しめるようになるのも一興です。歴史が題材となる漫画を読む。またはそうしたやドラマ・映画を観る場合でも歴史のことがわかっていると、まぁ、ネタバレ的要素はあるでしょうが、さらにその漫画や映画・ドラマのストーリーが理解しやすかったり、より楽しめるのではないでしょうか。また、音楽に関しても好きなアーティストの源流をたどってみたり、音楽に対して幅広い知識があれば、偏った趣向のものだけでなく、自身でも以外な好みのアーティストや楽曲と出会うなどの喜びを感じられるでしょう。
そうしたお子さんの成長過程に合わせて、娯楽や趣向と勉強を掛け合わせることで、やる気が勉強に向く可能性も大いにあります。
褒めてやる気を引き出す
お子さんに限らず人のやる気というものは、コミュニケーションによって大きく変わってきます。勉強へのやる気を引き出すためには、褒める・叱るのバランスが大事です。そのバランスに関しても叱った時に関係を悪化察せないように褒める割合を多くしておくことが大事です。
例えば、お子さんが勉強に対するやる気がなく、あまり成績がふるわなかったとしましょう。しかし、お子さんも「勉強をやってみた」から「勉強」というものがどういうものかと理解した気になって、「面白くない」「やる気がでない」となっているのであって、全く勉強に触れたことがないことはないのですから、さすがに自身がやらされている勉強よりも下のレベルのことはだいたいはクリアしてきているものです。
そうしたお子さんに少し下のレベルの勉強をやらせてみると「馬鹿にされてるのか?」と思いながらも、さっと出した問題を解いたりするでしょう。その時には、すかさず褒めましょう。また、お子さんは学校で習ったことや「自分で発見した」と思ってることなどについて話したがっているようなことはありませんか?子供の発見などは大人からすれば当然あるべき知識であったり、取るに足らないものであることが多いのは当然ですが、そうしたことをお子さんが伝えてきた時にも褒めてあげるべきでしょう。
褒められて嫌な気持ちがしないのは、大人も子供も一緒です。そうしたところから、何かを知るということは褒められることだという報酬が働き、知識欲や達成感を味わいたいという欲に繋がっていくのです。
苦手意識を払拭する
勉強のやる気を妨げる最大の障害は「勉強への苦手意識」でしょう。「勉強が出来ないから」というお子さんはいないと思います。そもそも勉強という言葉は範囲が広すぎます。国語・英語・算数・理科・社会・音楽・図画工作・家庭科・・・など多くの科目がある中で、ただひとくくりに「勉強」と言われていまします。なので、例えば「社会が出来ない」=「勉強が出来ない」と考えるお子さんが多いのではないでしょうか?そうなると「自分は勉強が出来ない」と考えるので、自然と「勉強」という範囲に属する社会以外の算数・国語・理科などに対しても「勉強」であるために苦手意識をもってしまい、「勉強が苦手だからやるきが出ない」となるわけです。 なので、「勉強が苦手」や「勉強が出来ない」というお子さんがいるわけでなく、「勉強に苦手意識を持っている」というお子さんが出来上がるわけです。
苦手意識をなくすことは、たしかに簡単ではないでしょう。それは一度苦手意識を持ってしまうと勉強だけに限らないのですが、そのことに手をつけようと思わなくなってしまうからです。しかし、苦手になる要因というのは実はちょとしたことだったりする場合が多いもので、例えば学校を休んだ時にやっていたポイントがテストに出て、テストの点が悪く、「この学問は苦手だ」と思い込んだりする場合が少なくありません。
本来、小中学校の場合などは特にその傾向が強いのですが、少しずつ段階を追って理解していけば解決するものが多いものです。
お子さんが苦手なポイント(本当は苦手意識を持っているポイント)の少し手前のレベルから再度苦手意識を持っているないようをさらっと教えれば、意外とすんなりと苦手意識を持っていた部分をクリアできたりするものです。またさらにそうした成功体験が勉強へのやる気を向けさせることにも繋がります。
継続したやる気が勉強の向上には必要

子供にとって勉強は毎日取り組みを続けることが肝要で、まさに「継続は力なり」ということわざ通りのものです。ただし、わかってはいてもいつもやる気をだせるかと言うとそうとは限らず、やる気が出ない日もあるでしょう。
そのような時には、やる気が起こるのを待つのも手ではあるのですが、あまりにそのやる気がない期間が長いのも問題です。
そうした時に「やる気を起こすための方法」を確立しておくのも大事です。
行動でやる気を起こす
勉強のやる気がない時にやる気が起こるまでまっていては、いつまで経っても勉強に向かわないということが起きうるでしょう。
そうならないためには、形だけでも机に座って、まずは「少しだけ」でも勉強を始めることです。
多くの人達がやる気に関して勘違いされていることが、「やる気がなければ、行動を起こすことが出来ない」ということであり、これは誤解です。
「勉強のやる気がないから勉強をしない」のではなく「勉強をしないからやる気が起こらない」のです。
勉強に対する行動を起こさない状態を続ければ続ける程に、ますます勉強に対してのやる気が失われていき、勉強に取り掛かれなくなってしまいます。
なので、勉強のやる気というものは、起こるのを待つのではなく、先に行動して自身から引き出すということも肝要です。
易しい問題を解く
勉強に対するやる気が起こらない場合に、無理やり机に向かって、これまた無理矢理に今まで解けなかった問題に取り掛かろうとすると、もちろん頭が働きません。これでは、いきなり机から離れる原因を作ってしまい、勉強はますます嫌なものになるでしょう。
勉強へのやる気がないものの机に向かってみたという時はまずは解きやすい問題から取り組むようにしましょう。基礎的な問題がおすすめです。
好きなことに勉強を挟む
嫌だな・・・と思う気持ちがやる気を削ぐ原因となるのは間違いありませんが、勉強よりも自身の中で楽しく優先順位の高いものがあると、もちろん勉強へのやる気は失われます。そんな時にはそうした楽しく優先順位の高いことと勉強を交互にやってみるのも一つの手段です。
例えば、勉強の合間に漫画を読むなどでもいいのです。20分勉強したら10分漫画を読もうなどでもいいのです。机に座ってまず10分漫画を読んで、その後に勉強を20分する。それを3回も繰り返すと1時間半ですが、漫画を30分読んでも1時間は勉強をしたことになります。
また、小中学生の自主学習において1時間の学習時間は小さくありません。そうしたことを続けると、勉強が学校よりも遅れることはないでしょうし、学校より遅れることがなければ前述のように苦手意識をもつこともなく、勉強に対するやる気が損なわれる最大の障害は取り除かれるといってもよいでしょう。
勉強への入り方を工夫する
勉強をやる気になれない時には、「こんなとりかかりで勉強をはじめる」というルールを決めてしまうことが肝要です。
そうすれば、「勉強のやる気がないな・・・」という時でも、機会的に勉強に取り組むことが出来ます。





